在宅きまぐれノート

What is IDOL?-②「儚さ」こそアイドル-

終わりがあるから美しい

 

アイドルを追いかける上で

避けては通れないものがあります。

 

そう、「卒業」です。

 

※ よく議論されている

卒業という言葉の正当性については、

ここではあえて触れません。

 

 

 

 

全てのアイドルには、

自身のアイドル活動に

終止符を打つ瞬間がやってきます。

 

 

 

 

 

  • 女優の道に進むことを決めた。
  • 学業を優先することにした。
  • アイドル業よりもやりたいことが見つかった。

 

など、理由は様々ですが、

脱退や解雇、スキャンダルの発覚といった

マイナスの意味で捉えられるようなものではなく、

 

アイドル本人の気持ちを尊重する

能動的な形で行われる「卒業」は、

多くの場合、

ヲタクたちの涙を誘います。

 

 

私はそこに、他のジャンルにはない

アイドルを応援する上での醍醐味

詰まっているように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文学の世界で、

「花は枯れるからこそ美しい」

といったような考え方があります。

 

これは、

限りがあるものを美化した言い回しで、

よく人の生命を対象に述べられることが多いですが...

 

きっと、アイドルにも同じことが

言えるのではないでしょうか。

 

ましてや、アイドルという分野に対しては

より顕著に当てはまるような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

オブラートに包まず言うと、

念願叶ってアイドルになった少女たちは、

本来歩んでいたはずの

自分の青春時代を犠牲にしているのです。

 

人生でたった一度切りのチャンスを、です。

 

「普通の生活に戻りたい」という理由で

アイドルを辞める人がいるのも当然です。

 

 

 

 

 

しかし、だからこそ...

 

ステージ上での輝き

他に類を見ないほどに強く、

美しくなる。

 

ただかわいいだけではなく、

覚悟を持って自身の青春時代に

華を飾ろうとしている。

 

きっとそういったアイドルの姿の中に、

一般のアーティストとはまた違った感覚が

あるのだと、私は感じています。

 

 

 

 

 

 

 

なんか分からん悲しさを持ってるんですよねあいつ。顔も可愛らしくて笑顔もいいんだけど、それを入れてこうやってやると非常にバランスがいいのね俺の中では。アンバランスなバランスの良さっていうのかな。

- モーニング娘。9期 譜久村聖 加入時コメント by つんく♂

 

特有の表現で、つんく♂さんはこう語ります。

かわいいだけでガッチリ固めたグループよりも、

どこか隙がある、あるいは、未完成な方が、

真のアイドル像に近いのかもしれません。

 

 

 

また、

出典は忘れてしまいましたが、

モーニング娘。の「卒業」についても、

「アイドルに対する適度なストレスや苛立ちこそ、

ファンが離れなくなる原因である」

といったようなことを仰っていました。

 

 

 

不安定な要素があるから応援したくなる。

実体験から考えても、

たしかにその通りなのかもしれません。

 

 

アイドルは、非常に脆く儚い存在。

「支えたい」

「守りたい」

という感情が抱くのも、

10歳そこらの女の子を目の当たりにすれば、

当然の心理とも言えます。

 

そして、そういうシステムこそが

ヲタクたちのあり得ないバイタリティーを

生み出しているのかもしれません。

 

 

 

 

 

偶像が虚像になる前に

 

idolとは

[名詞] 偶像、聖像、偶像神、邪神、崇拝物 etc

 

誰もが一度は辞書で調べたことが

あるのではないでしょうか(笑)。

 

ではさらに「偶像」の意味を調べてみると...

 

偶像とは

木・石・土・金属などで作った像。

神仏をかたどった、信仰の対象となる像。

あこがれや崇拝の対象となるもの。「若者の―」

 

となります。

 

「What is IDOL? ①」でも述べたように、

アイドルは「憧れ」を伴う存在と言えますが...

 

もうひとつの考え方として、

不安定な(虚)像である、

と私は考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつか会えなくなる」

そのいつかは突然やってきます。

 

 

私の応援するアイドルは、

女優に転身するという形で

4年前にアイドルを卒業しました。

 

芸能界には残るので、正直言うと

見かけ上はあまり変化はありません。

 

ですが、

アイドルとしての彼女に助けられたことや、

歌やダンスがもう見れない現実から、

その後を応援したいという反面、

どこか寂しさも感じてしまいました。

 

「卒業」とは時に様々な

ニュアンスを含むことがある

ということを、この時実感しました。

 

 

 

 

 

 

もう4年も前になりますが、

「卒業」までの間、

一人のアイドルを全力で

追いかけていた当時のことは、

今でも鮮明に覚えています。

 

最後の卒業コンサート

自身のヲタ活の中で、

あれだけ

楽しくて、嬉しくて、悲しくて、

そして、

幸せだった一日はありません。

 

 

 

 

 

 

将来ヲタクを辞めてしまう日が来ても、

きっと生涯の良い思い出として

記憶に残り続けると、確信しています。

 

 

 

 

だからこそ、

全てのヲタクたちには

悔いのないヲタ活を送ってほしいと

切に思います。

 

そして、どうか

その中で抱く「儚い」という感覚を大切に、

自分の推しを全力で推してほしいです。

 

次の最後の更新でも書き記したいと思いますが、

それができるのもヲタクの特権なのかもしれません。

 

 

 

 

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